法人税

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法人が破産した場合の事業年度

「会社法」には「事業年度」に関する定義はなく、「事業年度」に関する定義は「法人税法」に定められています。

(事業年度の意義)法法13
この法律において「事業年度」とは、法人の財産及び損益の計算の単位となる期間(以下この章において「会計期間」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この章において「定款等」という。)に定めるもの


清算
平成18年の会社法施行前は「商法」に会社に関する法令が含められていました。その「商法」には、「解散」後の事業年度に関する規定がありません。法人税法に規定される「みなし事業年度」に関する規定を適用していたのです。

(みなし事業年度)法法14
次の各号に規定する法人・・・が当該各号に掲げる場合に該当することとなつたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間をそれぞれ当該法人の事業年度とみなす。
一  内国法人(連結子法人を除く。)が事業年度の中途において解散(合併による解散を除く。)をした場合 その事業年度開始の日から解散の日までの期間及び解散の日の翌日からその事業年度終了の日までの期間・・・

平成18年の会社法施行後は、「清算事務年度」という1年にわたる期間が定義され、事業年度として適用されることとなりました(会社法494条)。この規定が、法人で違法第13条の「法令で定めるもの」となり、解散の場合も法人税法第13条が適用されることとなったのです。
「事業年度開始の日から解散の日までの期間」は以前と同様ですが、その後の事業年度は「解散の翌日から1年の期間」となります。

(株式会社等が解散等をした場合における清算中の事業年度)法基通達129 

株式会社又は一般社団法人若しくは一般財団法人(以下129において「株式会社等」という。)解散等(会社法第475条各号又は一般法人法第206条各号《清算の開始原因》に掲げる場合をいう。)をした場合における清算中の事業年度は、当該株式会社等が定款で定めた事業年度にかかわらず、会社法第494条第1項又は一般法人法第227条第1項《貸借対照表等の作成及び保存》に規定する清算事務年度になるのであるから留意する。

 

(貸借対照表等の作成及び保存)会法494
清算株式会社は、法務省令で定めるところにより、各清算事務年度(第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった日の翌日又はその後毎年その日に応当する日(応当する日がない場合にあっては、その前日)から始まる各一年の期間をいう。)に係る貸借対照表及び事務報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

破産
破産に関する手続きを定めた「破産法」には事業年度の定めがありません。破産手続の決定により解散すると、その日をもって一旦事業年度を区切ります(法人税法基本通達1-2-9)。

「破産手続開始の決定により解散した場合」には、会社法上「清算すべき場合」から除外されています(会社法475条1号括弧書)。

「事業年度開始日~破産開始日」、「破産開始日の翌日~事業年度終了日」が事業年度となり、その後は破産手続が終結するまで定款に定められた事業年度が続くことになります。

(清算の開始原因)会法475
株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。
一  解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由[合併]によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。) ・・・

 

損金不算入となる交際費等の範囲から除外される飲食費「1万円以下」に引き上げ

2024年度税制改正においては、交際費課税の見直しが行われる。損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準について、現行の1人当たり5000円以下から「1万円以下」に引き上げられる。

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう。現行の規定では、交際費等の範囲から除外されるものとして、飲食等のために要する費用であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5000円以下である費用がある。この飲食等に要する費用は、専らその法人の役員や従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものは除かれるが、この金額基準が1万円以下に引き上げられる。この改正は、2024年4月1日以後に支出する飲食費について適用される。


接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限が3年延長される。社内飲食費を除いた交際費に含まれる「飲食費」について、定められた項目を記載した帳簿上の飲食費(「接待飲食費」と仕訳したもの)であれば、その額の50%を損金に算入できこととされている特例がある。
中小企業の場合は、上記の(1)交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用の50パーセントに相当する金額を超える部分の金額と、(2)損金不算入額として、交際費等の額のうち、800万円にその事業年度の月数を乗じ、これを12で除して計算した金額(「定額控除限度額」)に達するまでの金額を超える部分の金額、のいずれかの金額が損金不算入額となる選択適用が認められている。

建設業の機械の耐用年数

建設業で使用する機械装置は総合工事用設備に該当し、総合工事用設備の耐用年数は6年と定められています(減価償却資産の耐用年数別表第二)

耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表8 
「設備の種類」と日本標準産業分類の分類との対比表

30 総合工事業用設備 「061」一般土木建築工事業 一般土木建築工事業
「062」土木工事業(舗装工事業を除く。) 土木工事業、造園工事業、しゅんせつ工事業
「063」舗装工事業 道路舗装工事業
「064」建築工事業(木造建築工事業を除く。) 建築工事請負業、組立鉄筋コンクリート造建築工事業
「065」木造建築工事業 木造住宅建築工事業
「066」建築リフォーム工事業 住宅リフォーム工事業
「071」大工工事業 大工工事業、型枠大工工事業
「072」とび・土工・コンクリート工事業 とび工事業、土工工事業、特殊コンクリート基礎工事業
「073」鉄骨・鉄筋工事業 鉄骨工事業、鉄筋工事業
「074」石工・れんが・タイル・ブロック工事業 石工工事業、れんが工事業、タイル工事業、コンクリートブロック工事業
「075」左官工事業 左官業、漆くい工事業
「076」板金・金物工事業 鉄板屋根ふき業、板金工事業、建築金物工事業
「077」塗装工事業 塗装工事業、道路標示・区画線工事業
「078」床・内装工事業 床張工事業、壁紙工事業
「079」その他の職別工事業 ガラス工事業、金属製建具取付業、防水工事業
「081」電気工事業 電気設備工事業、電気配線工事業
「082」電気通信・信号装置工事業 電気通信工事業、有線テレビジョン放送設備設置工事業
「083」管工事業(さく井工事業を除く。) 一般管工事業、給排水設備工事業
「084」機械器具設置工事業 機械器具設置工事業、昇降設備工事業
「089」その他の設備工事業 築炉工事業、さく井工事業

耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表9
機械及び装置の耐用年数表(別表第二)における新旧資産区分の対照表

30 総合工事業用設備 334 ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備
335 その他の建設工業設備
  排砂管及び可搬式コンベヤ
  ジーゼルパイルハンマー
  アスファルトプラント及びバッチャープラント
  その他の設備

 

2つ以上の用途や構造がある建物に適用する耐用年数

建物の1階部分が店舗、2階以上の部分が住居になっている賃貸マンションなど2つ以上の用途がある建物を賃貸する場合、減価償却費の計算に使用する耐用年数は、住居部分と店舗部分で別々に耐用年数を使用して計算することが原則。ただし、1つの建物が2つ以上の構造により構成されている場合でも「構造・用途が著しく異ならない限り」は主な構造の耐用年数を一括して適用する。

建物の耐用年数は、その「構造」と「用途」によるが、同一の減価償却資産について、その用途により異なる耐用年数が定められている場合において、その減価償却資産が2つ以上の用途に供されているときは、その減価償却資産の用途については、その使用目的、使用の状況等により勘案して合理的に判定することとされている。
1つの建物が2つ以上の用途に使用されている場合、その用途ごとに別々の耐用年数を適用するのではなく、建物全体の使用目的等により勘案して判定した、主たる用途の耐用年数を適用するということになる。
たとえば、店舗併用住宅が5階建(鉄筋コンクリート造の場合)で1階が店舗(耐用年数39年)、2階以上が住居(同47年)となっているケースでは、使用面積等から住居が主たる使用目的と判定すれば、店舗部分を含めた建物全体に耐用年数47年が適用される。また、建物の付属して設置される機械室、駐車場等のようにその建物の機能を果たすために必要な補助的部分(専ら区分した用途に供されている部分を除く)についても、その建物の主たる用途について定められている耐用年数を適用することになる。

上記の例外として、1つの建物を2つ以上の用途に使用するために、その建物の一部について特別な内部造作をしている場合には、その建物を用途ごとに区分してその用途について定められている耐用年数をそれぞれ適用することができる

No.6480 事業者が商品購入時にポイントを使用した場合の消費税の仕入税額控除の考え方

国税庁タックスアンサー 
[令和2年1月1日現在法令等]


 事業者が商品購入時にポイントを使用した場合の消費税の仕入税額控除の考え方を教えてください。


 事業者が商品を購入した際、その取引(課税仕入れ)について仕入税額控除を行うこととなりますが、商品購入時にポイントを使用した場合、消費税の「課税仕入れに係る支払対価の額」は、

  1. ① ポイント使用が「対価の値引き」である場合には、商品対価の合計額からポイント使用相当分の金額を差し引いた金額(値引後の金額)
  2. ② ポイント使用が「対価の値引きでない」場合には、商品対価の合計額(全額)

となります。
 なお、商品購入時に発行されるレシートには、ポイント使用の態様に応じて「課税仕入れに係る支払対価の額」が表示されていると考えられますので、商品を購入した事業者においては、レシートの表記から「課税仕入れに係る支払対価の額」を判断して差し支えありません。

  1. (注1) 消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、区分経理に対応した帳簿及び区分記載請求書等の保存が必要となります。
      そのため、例えば、次のように、日々の記帳段階から取引を税率ごとに区分経理しておくことが考えられます。
    1. ①のケース(値引き)
       消耗品費( 8%対象)  530円 / 現金        1,069円
       消耗品費(10%対象)   539円  
    2. ②のケース(値引きでない)
       消耗品費( 8%対象)  540円 / 現金        1,069円
       消耗品費(10%対象)   550円 / 雑収入(消費税不課税)   21円
  2. (注2) コンビニエンスストア等が実施している即時充当(即時に購買金額にポイント等相当額を充当する方法)によるキャッシュレス・消費者還元は、商品対価の合計額が変わるものではありません。
     このため、事業者が商品を購入した際に、即時充当による消費者還元を受けた場合には、商品対価の合計額が「課税仕入れに係る支払対価の額」となります(②のケースと同様)。
  3. (注3) 共通ポイント制度を利用する事業者及びポイント会員の一般的な処理例については、「共通ポイント制度を利用する事業者(加盟店A)及びポイント会員の一般的な処理例」(PDF/143KB)をご参照ください。

(消法30)

控除対象外消費税の取り扱い

法人が資産に係る消費税等の経理処理につき税抜経理方式を適用している場合において、資産に係る控除対象外消費税額等について法人税法施行令第139条の4(資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入)の規定の適用を受ける。
 
消費税等の会計処理について税抜処理方式を採用している場合において、仮受消費税等の額と仮払消費税等の額との差額が納付又は還付の消費税額とされるが、その課税期間中の課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満であるときは、その課税期間の課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に係る消費税額は、課税売上げに対応する部分の金額となる。そのため、仕入税額控除ができない仮払消費税等の額(控除対象外消費税額等)が生じる。
 
控除対象外消費税額等は、次のとおり処理する。
1 資産に係る控除対象外消費税額等
a.その事業年度の課税売上割合が80%以上である場合
      ⇒損金経理を要件としてその全額を損金の額に算入する。
b.その事業年度の課税売上割合が80%未満である場合
   以下のいずれかに該当する場合
   ①一の資産に係るものの金額が20万円未満のもの
   ②特定課税仕入れに係るもの
   ③棚卸資産に係るもの
     ⇒損金経理を要件としてその全額を損金の額に算入する。

c.上記a.又はb.に該当しない場合
⇒繰延消費税額等として資産計上し、その繰延消費税額等を60で除し、これにその事業年度の月数を乗じて計算した金額(初年度はその1/2)の範囲内で損金経理した金額を損金の額に算入する。   

2 経費に係る控除対象外消費税額等
 
⇒全額をその事業年度の損金の額に算入する。

   ただし、交際費等に係る控除対象外消費税額等に相当する金額は、
  交際費等の額として交際費等の損金不算入額を計算する。

青色申告承認のほど再申請する場合は、取消しの通知日から1年経過した後に再度、青色申告承認申請書を提出

2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合には、青色申告の承認の取消事由に該当します。この場合、その2事業年度目以降の事業年度について、承認が取り消されることになります。青色申告が取り消された場合、税務署から「青色申告の承認の取消通知書」が届きます。

取消された後、再び青色申告の承認を受けることはできますが、取消しの通知を受けた日から1年以内に提出した「青色申告承認申請書」については、その申請を却下することができることとされています(法人税法123条3号)ので、取消しの通知日から1年を経過した後に「青色申告承認申請書」を再提出することとなります。
この場合、期限後申告の1期目の申告は青色申告、2期目の申告については青色申告が取消されて、青色申告でない”白色申告”となります。
たとえば、3月決算法人が、令和1年3月期と令和2年3月期の2期連続で期限後申告を行い、令和2年10月に取消通知書が届いたとします。青色申告の承認申請書は、青色申告の適用を受けたい事業年度開始の日の前日までに提出しなければなりませんので、この場合、取消しの通知日から1年を経過した後の令和4年3月までに青色申告承認申請書を提出すれば、令和5年3月期から青色申告の再承認となります。最短で3期分は白色申告が続くことになります。

令和1年3月期(期限後申告)・・・・・青色申告
令和2年3月期(期限後申告)・・・・・白色申告
令和3年3月期(期限内申告)・・・・・白色申告、取消通知あり
令和4年3月期(期限内申告)・・・・・白色申告、青色申告承認申請書を提出
令和5年3月期(期限内申告)・・・・・青色申告


被合併法人の法人税の申告と納付

被合併法人は、期首からその合併の日の前日までの期間を1事業年度とみなして、その事業年度終了の日の翌日から2月以内に法人税の申告書を提出します。

1.申告・納税義務の承継
被合併法人の法人税の納税義務は合併法人が承継します。

2.申告書の提出先
申告書の提出先は、合併法人の納税地の所轄税務署長となります。

3.確定申告書の添付書類
財務諸表、勘定科目内訳明細書の他、次の書類を添付します。
イ、合併契約書の写し
ロ、組織再編成に係る主要な事項の明細書

4.届出
合併法人は遅滞なく合併契約書の写し及び履歴事項証明書を添付して異動届出書を提出します。

太陽光発電設備の耐用年数

国税庁 質疑応答事例より

風力・太陽光発電システムの耐用年数について

【照会要旨】

自動車製造業を営む法人が、自社の工場構内に自動車製造設備を稼働するための電力を発電する設備として設置した風力発電システム又は太陽光発電システムの耐用年数は何年ですか。

(設備の概要)
風力発電システム
……風力で風車を回し、これを発電機に繋げることにより発電を行うシステム。価格8,000万円~20,000万円。
太陽光発電システム
……太陽電池により蓄電した電力をパワーコンディショナーによって増幅して配電するシステム。

【回答要旨】

風力発電システム及び太陽光発電システムに係る耐用年数は、いずれも減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」といいます。)別表第2「23 輸送用機械器具製造業用設備」の9年が適用されます。

(理由)

  • 1 本件資産は、自家発電設備の一つであり、その規模等からみて「機械及び装置」に該当します。
  • 2 本件設備のように、その設備から生ずる最終製品(電気)を専ら用いて他の最終製品(自動車)が生産される場合には、当該最終製品(電気)に係る設備ではなく、当該他の最終製品(自動車)に係る設備として、その設備の種類の判定を行うこととなります。
  • 3 したがって、本件設備は、自動車・同附属品製造設備になりますので、日本標準産業分類の業用区分は、小分類(「311 自動車・同附属設備製造業」)に該当し、その耐用年数は、耐用年数省令別表第2「31 電気業用設備」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」の17年ではなく、同別表第2「23 輸送用機械器具製造業用設備」の9年を適用することとなります。

【関係法令通達】

減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第2
耐用年数の適用等に関する取扱通達1-4-2、1-4-5
耐用年数の適用等に関する取扱通達の付表8

注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。


自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入

【照会要旨】

給与所得者である個人が、自宅に太陽光発電設備を設置し、いわゆる太陽光発電による固定価格買取制度に基づきその余剰電力を電力会社に売却している場合、余剰電力の売却収入に係る所得区分及び太陽光発電設備に係る減価償却費の計算方法についてどのように取り扱われますか。

【回答要旨】

余剰電力の買取りは、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、太陽光発電による電気が太陽光発電設備が設置された施設等において消費された電気を上回る量の発電をした際、その上回る部分が当該施設等に接続されている配電線に逆流し、これを一般電気事業者である電力会社が一定期間買い取ることとされているものです。
余剰電力の売却収入については、それを事業として行っている場合や、他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合には事業所得に該当すると考えられますが、給与所得者が太陽光発電設備を家事用資産として使用し、その余剰電力を売却しているような場合には、雑所得に該当します。
なお、減価償却費の計算上、太陽光発電設備は、太陽電池モジュール、パワーコンディショナーなどが一体となって発電・送電等を行う自家発電設備であることから、一般に「機械及び装置」に分類されると考えられますので、照会の場合、その耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二の「55 前掲の機械及び装置以外のもの並びに前掲の区分によらないもの」の「その他の設備」の「主として金属製のもの」に該当し、17年となります。
また、必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうちに売却した電力量の占める割合を業務用割合として計算した金額となります。

(注) 一般家庭で行われる太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。
給与所得者がこの全量売電を行っている場合の売電収入も、上記と同様に、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当すると考えられます。

【関係法令通達】

減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二

注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。


 

 

中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却・税額控除制度と生産性向上設備投資促進税制

1.平成26年度税制改正で設けられる生産性向上設備投資促進税制
生産性向上設備投資促進税制は、産業競争力強化法が施行される平成26年1月20日から平成29年3月31日までの間に生産性向上設備を取得し、これを事業の用に供した場合には次のいずれかの適用を受けることができます。

○平成26年1月20日から平成28年3月31日までに取得したもの
① 特別償却の場合‥‥‥即時償却
② 税額控除の場合‥‥‥5%(建物、建物附属設備、構築物の場合は3%)

○平成28年4月1日から平成29年3月31日までに取得したもの
① 特別償却の場合‥‥‥50%(建物、建物附属設備、構築物は25%)
②税額控除の場合‥‥‥4%(建物、建物附属設備、構築物は2%)
生産性向上設備投資促進税制は、青色申告法人であれば業種、資本金の大小を問わず広範囲に適用できます。

生産性向上設備投資促進税制の対象となる資産は、機械及び装置をはじめ、工具、器具及び備品、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウエアで、先端設備に該当するもの又は投資利益率が5%以上向上する設備に該当するものをいいます。
※ 先端設備の場合は構築物を含みません。

2.中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却・税額控除制度(中小企業投資促進税制)の改正

中小企業投資促進税制については、平成26年度税制改正によって次の2点の改正が行われます。

①適用期限を3年延長し、平成29年3月31日までに取得するものに適用されます。

②中小企業投資促進税制の対象となる資産のうち、上記の生産性向上設備投資促進税制の対象となるものについては、次のような特例を適用します。

資本金額 生産性向上設備投資促進税制
の対象となるもの(特例)
左以外のもの(一般)
特別償却 税額控除 特別償却 税額控除
3,000万円以下 即時償却 10% 30% 7%
3,000万円超1億円以下 即時償却 7% 30% 不可


3.中小企業投資促進税制と生産性向上設備投資促進税制のどちらを適用するかの選択


両制度を比較すると次のようになります。

取得時期 生産性向上設備投資促進税制 中小企業投資促進税制(特例)
特別償却 税額控除 特別償却 税額控除
平26.1.20~平28.3.31 即時償却 5% 即時償却 10%
(7%)
平28.4.1~平29.3.31 50% 4% 即時償却 10%
(7%)

※1 中小企業投資促進税制の税額控除割合における(7%)は、資本金が3千万円超の法人に適用。

※2 税額控除は、いずれの制度も法人税額の20%を限度とする。

4.中小企業投資促進税制と生産性向上設備投資促進税制には対象資産に相違、械及び装置以外の対象資産では判定を慎重に

機械及び装置については、中小企業投資促進税制も生産性向上設備投資促進税制も対象の範囲に制限がありません。

工具については、中小企業投資促進税制では測定工具及び検査工具だけが対象とされ、生産性向上設備投資促進税制のうちの先端設備による場合はロールだけが対象とされています。

したがって、生産性向上設備投資促進税制のうちの先端設備による場合は、工具について両制度のどちらにも該当するものはなく、測定工具及び検査工具は中小企業投資促進税制の一般の適用を受けて申告し、ロールは生産性向上設備投資促進税制のうちの先端設備の適用を受けて申告することになります。

 

Q1 赤字でも申告する必要がありますか。

 個人(所得税)は、事業が赤字の場合は他に所得がなければ「申告不要」(特例等の適用を受ける場合を除きます。個人のQ&A参照)ですが、法人税は赤字でも申告しなければなりません。事実上の休眠会社のような場合は所轄の税務署等にご相談ください。

Q2 赤字でも税金がかかるのでしょうか

 法人税はかかりませんが、法人都道府県民税及び法人市町村民税には「均等割」というのがあり、資本金等の額により一定額を納める必要があります。ちなみに京都市の場合は、資本金1000万円以下の法人で法人府民税2万円、法人市民税5万円となっています。

 また、消費税の課税業者であれば、原則として別途消費税の納付義務が発生します。

Q3 決算書の利益と法人税の課税所得はなぜ違うのですか

 会計の計算方法と法人税法の計算方法が異なるためです。たとえば寄付金を支払った場合、会計では一般的にその全額を費用処理しますが、法人税法では支出先により「損金不算入」即ち費用として認められない場合があります。その他会社の恣意的な会計処理の防止、政策的な意図などの理由により様々な規定が設けられています。そのため差異が生じることになるのです。

Q4 NPO法人ですが、法人税はかかるのでしょうか

 営利を目的としない公益性の高い法人は、法人税法上の「収益事業」(34業種)を営んでいる場合に限り、その部分が法人税の対象となります。NPO法人の場合も同様です。
 会費や寄付のみで運用されている場合は問題ありませんが、法人税法上の収益事業は思った以上に範囲が広く、また規模の大小を問わないのでご注意ください。

Q5 中間申告(予定申告)はしなければなりませんか

 12ヶ月決算の法人の場合、前年度の法人税額が20万円を超えるときは、半期に前年度実績の1/2相当額あるいは仮決算による概算額を申告・納付する必要があります。この申告を中間申告(予定申告)と言うのですが、申告を行わない場合でも「提出したものとみなされる」ため、前年度実績による税額の納付義務が発生します。(消費税の中間申告は別掲)
 業績が著しく悪化した場合などは、仮決算の方法により納付税額を抑えることを考えた方がいいかもしれません。


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